不動産投資は、とても人気の高い投資方法で、海外においては不動産投資を専門で展開している企業もあるほどです。ただ、投資である以上メリットもある一方でデメリットもあります。また、不動産投資の場合も値上がり益を狙う投資方法と確実に家賃収入を受け取るという方法の2種類に大別できるのですが、前者の値上がり益を狙うというやり方は、格安の不動産を見つけなければいけないということもあり、株式投資のように簡単に売り抜けるというのは、プロでも難しいところです。そこでこの記事では家賃収入を受け取るというインカムゲインを重視した投資に焦点を当て、メリットとデメリットについて解説したいと思います。

不動産投資のメリット

不動産投資のメリットについては、家賃収入が入ってきますので、ローンを組んで投資用の不動産を購入しても、家賃収入を支払いに回すことで、実質的な持ち出しを抑えて不動産を取得することが出来るというメリットがあります。
通常投資用の不動産はアパートローンを組んで長期の支払いをすることになります。例えば、価格が2000万円で家賃収入が月額10万円のワンルームマンションで1800万円を35年で4%の金利で購入した場合に、
毎月のローンの支払:79,699円
になります。ということは家賃収入が毎月10万円ありますので、その家賃収入で毎月のローンが支払えるだけでなく、2万円すこしお金が余るということになります。特に今は金融機関の借入金利が低いということもあって、頭金を入れたり、あるいは家賃収入がやや高い物件を購入したりすると、実質ローンの負担ゼロで不動産を取得することが可能ということになります。
また、この家賃は住宅ローンの支払いさえ終われば、そのまま家賃収入として入ってきますので、私的年金として使うことが可能になるので、老後資金は安定してくるというメリットもあります。
更には、住宅ローンを組んだ場合に団体生命保険に加入することで、もし所有者の方に万が一のことが起きて亡くなったりした場合に残された家族には住宅ローンの負債は相続することにはなりません。つまり、所有者が亡くなると、保険が降りて残債を全額支払ってくれるので、残された家族は相続として全く負債のない不動産を相続することができます。
また、収益不動産を所有している場合には、その所有者が別に給与や事業収入ある際には、不動産収入と合算して申告する必要があります。その場合、不動産収入に対してローンの金利や固定資産税、減価償却費、所有に伴う費用などは合算して、赤字だった場合には、全体的な収入が減少することになるため、所得税と住民税の合法的な節税をすることができます。例えば、サラリーマンの方が年収500万円ある場合に、それに対してお勤めしている会社は源泉徴収をして本人に変わって税金を収めています。不動産収入が家賃が年間120万円あった場合に、経費が200万円あったとしますと、不動産収入は80万円の赤字になりますよね。この赤字と、年収500万円を合算すると、この所有者は実際には420万円の収入ということになるので、そうすると、今まで500万円で所得税等を支払っていたことが払いすぎということになり、その結果合法的に節税をすることも可能になるということです。

不動産投資のデメリット

不動産投資のリスクは家賃収入です。立地条件が良くても募集家賃が相場より高かった場合には賃貸は決まりません。不動産投資は家賃収入があって始まることになりますし、そのため事前に空室リスクがあるということは覚悟しておくべきです。

次にマンションにしてもアパートにしても、建物は経年劣化していきますので、それをサポートするための経費が必要になりますし、貨幣価値が上がっていくから家賃収入も上がるということはありません。通常は建物が古くなればなるほど、家賃を落とさないと賃貸は決まりません。それは周辺に新しい建物が建ちますから、賃貸を探している人は、やはり新しい建物を求めるからです。

また、不動産自体が大きな価値が高いということもあり、株式と比べると換金性が決して高くありません。特に売り急いでいる場合には、買い叩かれる可能性もあるということは、不動産投資のデメリットということを知っておきましょう。