投資の手段には、株式投資などがありますが、外貨預金という方法もあります。外貨預金というのは、日本の銀行に預金するのと同じように日本の円を外国の通貨に替えて預金するということです。つまり、日本国内の銀行では円で普通預金や定期預金をしていますが、円という通貨を米国ドルやヨーロッパのユーロなどで預金をするわけです。外貨預金も日本の銀行預金と同じように「預金」ですので、利息が付きます。その利息についても通貨によりますが、日本の銀行預金などと比べても高い利息が設定されていることがあり、その点は外貨預金の大きい魅力となっています。ただ、メリットがある以上デメリットがあります。例えば、金融においては為替があります。外国為替はマーケットがあるように投資市場ということになっているため、通貨あたりの価格が経済状況によって変動します。そのため、投資先の通貨に変動がなくても、為替の変動によって日本円に換金した場合に儲かる場合とそうでない場合もあるので、その点は注意が必要です。そこで、外貨預金についてもう少しメリットやデメリットについて、以下説明します。

外貨預金のメリット

外貨預金のメリットとしては、円預金よりも高い利息を期待することが出来るということです。もちろん、通貨によっては違いがあり、後進国の通貨ほど利息が高いという特徴がありますが、後進国の場合はクーデターや軍事的なトラブルなどの可能性がありますけれども、全般的には日本の円預金と比べれば金利が高いというのが現状です。

次に前述しましたが、為替差益も期待出来るというのが外貨預金のメリットです。つまり為替変動によって資産が減少する場合もありますが、逆に資産が増える場合もあります。特に預金している通貨に対して円が弱い場合、つまり円安の場合は円換算すると為替差益があります。もう少し具体的にいうと、例えばドル預金を1ドル100円で10万円預金した後、ドルが1ドルあたり120円に円安になった場合には、円換算すると、12万円になるということです(なお、ここで換算した場合の手数料は含まれていませんので、手取りはもう少し少なくなります)

また、利息が確実に入ってくるため、将来受け取る利息を事前に把握できるという安心感もあります。通常株式の配当金や投資信託の配当金というのは、企業の業績や運用業績に大きく影響しますが、預金利息は事前に決まっているため、不安定感はないという点も外貨預金の大きなメリットということができます。

外貨預金のデメリットについて

外貨預金は日本の預金と比べると、利息が高いというメリットがありますが、冒頭でもご案内したように為替変動のリスクが有るということを知っておきましょう。特に為替の変動はその国の経済情勢だけでなく、政治情勢によっても大きく変わります。例えば、外貨預金をしている国が戦争などを始めると、その国の為替変動が大きくなります。具体的にはその通貨に比べて日本円の価値が強くなる、つまり、円高になるので、その時日本円に換金すると為替差損が生じます。そうしますと預けている通貨の金額は変わっていなくても、実質的な通貨割れが発生してしまいます。

また、円から外国通貨に変換する場合、外国通貨から円に変換する場合には手数料がかかります。よく海外旅行に行くときに銀行で現地通貨に変換して貰う場合は手数料がかかりますよね。外貨預金も同様です。必ず為替手数料がかかりますので、その点注意が必要です。

あとは、日本国内での円預金にはペイオフという制度があります。ペイオフというのは預金者を保護する制度で、預金をしている銀行が破綻した場合には、1000万円まで元本が保護されるという制度です。外貨預金にはこのペイオフが適用されません。そのため、銀行が破綻した場合にはペイオフの恩恵を受けることはできないという点も注意しましょう。